ラブリー
第1章 いとしいひと
キスマークなんて。
ガキがするもの…なんて思ってた。
しかも首筋や鎖骨なんてこれ見よがしなのはイヤだ。
でもさ。
好きな人にはつけたいって思うから不思議。
だって所有物、独占欲のしるしだよね。
でも周りの人に見せる独占欲じゃなくて。
この見えない場所につけるしるしは、こいつに対しての独占欲の証。
こいつに伝わればそれでいい。
もう堂々と清々しいほどの自己満だ。
お前は俺のもの。
そう言ってんの。
「にの?」
「はい。」
「俺のものだから。」
「…え?」
「お前は俺のものだからね。」
「…うん。
そんなん当たり前じゃん。」
にのは当然という顔でえらそうにしてみせる。
威張った後でクシャっと照れ臭そうに微笑った。
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