
アップルパイと君の隣で
第11章 先輩と家族
「ああ、そうだったな。今後ともよろしく」
しまったという顔をした光のお父さんが帰りの挨拶をする。
「いえいえ!///こちらこそ」
「帰ろう」
「えっ?うん」
私は返事をしていると光に手を引かれた。
私はもう一度振り返りお辞儀をすると光について行った。
「光?」
そんな光の態度に問いかける。
さっきの2人のやり取りで何となく分かってしまった。
顔は見えなかったけど、耳まで真っ赤だったから多分当たりだろう。
嬉しくない訳ではない。
誰かに選ばれるというのは。
誰かに必要とされるというのは。
ー誰かに愛されるというのは。
でも...
「颯那」
私の声に進めていた足を止めた光が振り返った。
「...何?」
分かっているくせに。と自分でツッコミたくなる。
「颯那に話したい事があって...」
「話?」
「本当はちゃんと準備してから言うつもりだったんだけど」
