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恋しちゃ……ダメなのに

第2章 仮初の幸せ

しばらく話してると件のパフェが来た。

「結構大きいのね」
と桜さん。

「美味しそーいただきまーす!」

「こういう所は子供なのね」

少しの間黙々とパフェを食べていた。

「奏ちゃん、普段透とどんな話してるの?」

「話してるのは私だけですね、透さんに聞いて貰ってるって感じです」

「聞く変わりに頭を撫でてるってそんな所かな?」

「違うような、でも見た感じだとそれにちかいですね」

「そうだ、私まだ奏ちゃんが1人になっちゃったのか詳しく聞いてないんだけどいいかな?」

「あれ?透さんに聞いてないんですか?」

「聞いても良かったんだけど、女の子の話だしちゃんと奏ちゃんの口から聞きたかったんだよね。もしかして、言いたくない?」

「いえ、そんなことは無いです。もう1回話したら2回も3回も同じですしね。ただ、同じ説明するのはめんどくさいですけど、パフェの分としてお話しますね」

「ありがとうね」

私は2度目の話をした。

「透は大丈夫なの?奏ちゃんの呪い?みたいなのが仮に本当なら透にも何かあったんじゃ?」

「私には分からないです、聞いてもはぐらかされるので」

「少なからず透の事好きなんだよね?」

「……はい。でも透さんはそれを憧れと思ってるとも言ってました」

「透も結構鋭いねー、小さい女の子がパパと結婚するーとかいうやつと同じだもん。透と奏ちゃんは」

「そうなんですか?」

「歳の離れた親戚のお兄ちゃんって感じのが近いかな。だから透が言ってることはある意味で合ってるのよ」

「ある意味?」

「でも、憧れを好きと勘違いしても好きは好き。その気持ちは大切なんだよ」

「気持ちが大切」

話は終わりと言わんばかりにまたパフェに取り掛かる桜さん。

気持ちが大切……。

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