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エロース …ときめき探求物語

第12章 追いかけてヨコハマ…

――……いいなぁ……。

薄井幸【ウスイ サチ】は
わざわざ『黒人餌食~人妻つぐみ』に出てた
あの人妻のことを心配して
大阪からわざわざ横浜まで来たってわけ?
そこまで
いくら元部下だった女性を心配できちゃうんだ…
………私にはそんなひと
いなかったなぁ………。
――なんだか羨ましい
と受付を立ち去る満を見つめていた。

『咲良満さん……』
幸は満から手渡された名刺を眺めて呟いていた。


薄井幸は
ことし28歳……
高校時代にはそれなりの美貌で
周囲からも綺麗、可愛いと何度も評判になり
幸自身も
少なからず自分の容姿には
自信があった。

なので高校在学中から
色んな芸能関係のオーディションも受けた
幸のなかに
いつかアイドルとして芸能界に出たい!!
そんな夢があった。

幸いなことに
高校卒業と同時にとある
アイドルグループの一員としてのデビューが
決まった……

だか泣かず飛ばず…
しかも
所属事務所の社長は
グループのメンバーに
テレビ局の実力者への枕営業まで
指示してきた…。

幸も何度も親子以上の年齢差の
スケベな親父たちに
身体を差し出し続けた…
ところが
そのうちの一人の親父が
幸とのセックスをサイトにアップしたのだ。

―――アイドルグループの枕営業

そんな見出しで
その動画の写真が写真週刊誌に掲載され
幸のアイドル人生は
強制終了させられた

あとは
落ちるところまで転落する
ありがちな人生…
AVデビューし
さらに無修正AV

この頃には
家族からも親戚一同の恥さらし!!と
絶縁宣告されて
そしてAV撮影での不慮の妊娠…
現実を受け入れられずに
誰にも相談できないうちに
中絶の機会を失い…………

今、幸は
4歳の男の子と
シングルマザーとして生きている。

皮肉なことに
おそらくは無修正AVで幸を孕ませた男優が
引退後にAV作製会社
アダルトJAPANを立ち上げたため
幸はその男の愛人になることを条件に
この会社の受付の仕事にありついていた。


夕方――
受け付け業務が終了した幸は
会社をあとにした。

――あれ?たしかあの人は咲良さん?

幸の目の前には
交番の警察官に
明らかに不審者と認知されて
職務質問されている
満のすがたがあった。

幸は
ついたまらずに

『あの… どうかなさいましたか?』と
警察官と満の後ろから声をかけた。

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