天気予報の恋人
第7章 chapter 7
静かな車内に流れる
聞いてて気持ちよくなる音楽
歌ってるのは、男の人なんだろうけど…低くもなく高すぎない声は
目を閉じて、ずっと聞いていたくなる
「かず、緊張してる?」
後ろの席で、隣に座るまーくんが
背中を擦ってくれた
「…大丈夫」
本当は、すごくドキドキしてる
だって
元々の僕は、すごく人が怖くて
いくら、潤くんに会うって言っても
これだけ間が空いたら
前みたいにいきなり仲良くなんて、出来ないだろうし
…まして、潤くんは変わってしまったと聞いている
「…無理はするなよ」
心配そうな顔で、僕を見るから
「大丈夫…」
自分にも、言い聞かせるように
もう一度同じ言葉を口にした
「あそこの公園の入口にいるはずなんだけど…」
リーダーがそう言うと
先生が少し体を乗り出して捜した
でも
「…人の姿、ないな」
先生は困った声なのに、リーダーはいつも通り
「だろうな」
なんて笑っていた
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