天気予報の恋人
第5章 chapter 5
かずが顔を上げた
下から見上げる視線に、目を合わせられない
「まーくん…どうしたの?」
「え…?」
「何か、いつものまーくんじゃない」
そりゃ、そうだよね…
明らかに俺、挙動不審だし
「まーくん…僕が嫌になった?」
今にも泣きそうなかずが
唇を震わせている
「そ…そんな訳ないから!」
「だって…今日、迷惑掛けちゃったし…」
あっという間に涙が溢れ出した
…そうだ
かずは、そこらの中学生よりも
こういう感情面が幼いんだった
俺はかずをギュッと腕の中に納めて
「嫌いになんか…ならないから。大丈夫だって」
小さく震える頭を
何回も、撫でてやった
「でも…」
そう簡単には納得してくれないらしい
とは言え、このまま抱き締めてるのも
拷問に近い…
「かず…ちょっとトイレ行ってくる」
一番、無難な方法で
ようやく俺はベッドから抜け出した
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