天気予報の恋人
第3章 chapter 3
先生が、リーダーが来るまでの間
まーくんのお母さんに電話してた時の話を、してくれた
たまに電話のお互いの話が聞こえないくらい
受話器の後ろで「かずは?かずは?」って
煩かったんだって
その度に
まーくんはお母さんに怒られてたらしくて
多分あれは思いきりはたかれてたな
って先生が思い出したように笑ってた
まーくんは
おうちに帰っても、僕の事を心配してくれてる
それがとても嬉しくて
心がぽかぽかしてきた
でも
それと同時に
お母さんと仲良しなまーくんの様子が伝わってきて
…少し羨ましくなった
僕は
お母さんと一緒に、笑った記憶が、ない
知ってるのは、冷たい顔と低い声
そして、目の前にいるのに
まるで僕が見えてないかのように、僕の存在を無視した後ろ姿
妹だけに向けられる
優しい笑顔と、楽しそうな笑い声
それしか知らない
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