天気予報の恋人
第15章 chapter 15
日常と離れた空間がそうさせたのか
頬を染めて俺を捉えた
かずからのキスはとても甘くて、可愛いものだった
恥ずかしくて仕方ないくせに強がって
尖らせた唇が、今もムニムニと所在無げに動いている
手を繋いで、土の上をゆっくりと歩く
木の間から降り注ぐ陽光と、鳥のさえずりが
やけに心地好く感じた
今日、ここに来るのは本当に知らなかった
リーダーに言われるままに車を走らせてたら、その道に覚えがあって
半分以上走っていて行先に気が付いた
何が目的かなんて勿論分からないし、リーダーが何を考えてるのかも分からない
ただ、いつもリーダーや翔ちゃんは
「悪い方向に向ける事は絶対にしない」
…そんな核心があるからか、行先が分かった後も不安は何もなかったんだ
たまたま途中の道の駅で
リーダーと2人になった少しの時間に
今回の目的を教えて貰った
一番は、潤の心を開かせる事
そして、あの時間を再現させて
もう一度二人を子どもに戻してあげたい事
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