天気予報の恋人
第11章 chapter 11
「良かったぁ…」
泣きそうな…だけど安心した顔でそう言ったかずは「早く出てまーくんと交代するね」と、再びドアを閉めた
…ー大丈夫か?俺
ドアが閉められたと同時にその場にしゃがみこむ
だって
今、ドアの隙間から見えた白い肌にさえ
心臓が痛くなる程にドキドキしてる
今日は強制的に眠る方が良さそうだ
そうすれば、かずに手を出してしまう危険も減る
俺は立ち上がると、脇目も振らずに自分の部屋に向かった
乱雑な机の引き出しの中をガサガサと漁る
…確か、ここに入れといたんだけど
翔ちゃんにも言ってないけど
前にあまりに眠れなくて、友達から分けて貰った睡眠導入剤
ごく軽いものだからって、本当はいけないのを承知で貰った
あの時は、…元々睡眠はしっかり取れる俺には凄く効いてしまって
怖くなって1回飲んで、止めたんだっけ
「あれ…ないなぁ」
「何やってんだよ、雅紀」
いきなり背後から声を掛けられて、俺は大きく肩が揺れてしまった
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