天気予報の恋人
第10章 chapter 10
突然の事に頭が付いていかない
だけど、まーくんがキスをしてるのは間違いなくて
朝のなんか比べ物にならない位に「唇を奪われている」状態に、どうしていいか分からなかった
「かず……」
少し唇が離れて、触れ合う近さで名前を呼ばれる
だけど俺の返事なんて待たずに、また唇を塞がれた
…これが、大人のキスってやつなのかな
何だかフワフワして気持ちいい
だけど
頭に回された手が軽く髪を掴んで、少しうしろに引っ張られる
力なんて入ってない俺の頭はなすがままに後ろに仰け反って
その拍子に閉じていた唇が開いたと同時に
俺の口の中に、生暖かい何かが侵入してきた
…それが、まーくんの舌だと分かったのはすぐの事で
何が何だか分からないままに、自分の舌も
まーくんのそれが絡め取った
「んー…っ」
息が苦しい
呼吸すらまともに出来なくて、目尻に涙が溜まる
離して欲しくて、震える手でまーくんの胸板を力なく押してみるけど
まーくんは、ビクリともしなくて
…だけど、俺の様子に気づいたのか
少しだけ、離してくれた
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