天気予報の恋人
第8章 chapter 8
すごく、幸せだった
こんな日が来るとは思っていなかった
「まーくん…」
顔を赤くして、潤んだ上目遣いのかずに
どくん、と心臓が高鳴った
ヤバイ
このまま抱き締めてたら、これ以上を求めたくなってしまう
雑誌やネットでしか知らないくせに
やたらと詳しくなっていたセックスに対する知識
だけど、それだけはまだ
…いくらなんでも許されない
興味本位で勧めたらいけない事なのは、充分に分かっている
せめてかずがもう少し大人になるまでは
もっともっと、かずを大切にしなくちゃいけない
………
「おーい…こっち来いよ」
コンコン、と控えめなノックの後に
翔ちゃんが顔を覗かせた
「あ…うん、…潤は?」
今までの空気を悟られないように、少し顔を隠す
かずは…まだ赤い顔そのままだったけど
「潤なら大丈夫」
来いよ、と言って翔ちゃんが先に向こうへ行ったから
「かず、行こ?」
「うん…」
俺はかずの手をしっかり握って、皆のいるリビングへ一緒に向かった
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