天気予報の恋人
第8章 chapter 8
触れ合わせるだけで、すぐにそれを離して
かずの顔を間近で見つめる
…やっぱ驚かせちゃったかな
未だギュッと閉じられた瞳は、なかなか開いてくれなくて
だけど、真っ赤に染まった顔がいじらしくて
思わずペロッとかずの唇を舐めてしまった
「…っ」
「かず…?」
名前を呼んだら、伺うようにおずおずと瞳が開かれる
その瞳が潤んでいたから
…今度は目尻に、唇を寄せた
また、かずがギュッと目を閉じる
少し震えてる体
ごめんね
でも、想いが溢れて止まらないよ
ゆっくりと顔を離したら
今度こそ、かずと目が合った
吸い込まれそうな程に綺麗な、ビー玉みたいに透き通った瞳に映る俺は
かずにはどう見えてるんだろう
「かず…ごめんね」
いきなりキスなんて、怖いよね
「また…」
「え?」
「何で、謝るの?」
かずが、真っ直ぐに俺を見つめた
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える