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浮かれて喜んでいた矢先だった。

「お～い！慎之助～！」

周囲の目を気にせず大声をあげ
大きく手を振りながら
こちらに駆け寄る女性。

「おうッ！彩乃！」

慎之助は私を抱き締めていた両手を掲げると
その彩乃という女性とハイタッチをした。

「こちらは桐生彩乃さん。こちらは……」

彩乃が私と慎之助の間に割り込んだ。

「知ってる知ってる。菜々ちゃんでしょ？
で、慎之助のカノジョさんだよね」
「よく分かったな」
「慎之助の顔見れば分かるよ。こ～んな顔して
デレデレじゃんか」

彩乃は自分で垂れ目の仕草をして
ケラケラ笑っていた。