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なぜ?

第6章 交差

名津子が用意してくれたのは、高級ホテルのスイートルームのような部屋だった。
但し、俺を監視する巨大な猫付き。
俺に寄り添って寝てるけど、絶対にリラックスしてねえ。


「もしもしジュノ!日本着いたか?」
今日もテクヒョンから電話だ。
「テクヒョン。着いたよ。今、名津子の家。超良い部屋用意してもらった。」
「ちょ待って。ビデオにしてよ!」

俺はビデオに変えて、部屋の様子を映した。

「えっ?なにこれ?ジュノ専用の部屋ってこと?スイートじゃん!」
「そう。名津子ん家、超デカイ。一人で住んでんだって。」
「へえ~!じゃあ俺たちが行っても余裕だな!」
「何が?」
「ホテルとらなくても、名津子ん家泊まればいいじゃん!」
「意味わかんない。何で俺がわざわざライオンを入れるんだよ?」
「ミンジュン、ジュノが俺のことライオンだって…」
ミンジュンに慰めてもらおうとするテギョン。
やっぱり、みんないるんじゃん。俺の話は筒抜けってことね。

拗ねたテギョンからミンジュンに相手が代わった。
「ところでジュノ、おまえの部屋なあ、水漏れで工事が必要になったから、
引っ越ししとくって、マネージャーが言ってたぞ。」
「えっ?何それ?聞いてないよ!」
「だから今言ってる。」
「いやいや引っ越す前に先に…」
「見られちゃマズイものはないよな?」
「俺にだって都合が…」
「ないよな?」
「…ありません。」
ミンヒョン 、怖っっ!

俺の返事を聞いてミンジュンは極上の笑顔を向けた。
「そういうわけだから、部屋のことは兄貴に任せて、ゆっくり静養するんだぞ!」
それだけ言って電話は切れた。

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