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悪夢だった。

追いかけられ、穴に落ち、どこまでもどこまでも落ちていった。
気がついたら、ジュノさんがいた。
ジュノさん！ジュノさん！
いくら呼んでも、返事もしてくれないどころか、見てもくれない。
どうして？行かないで！ジュノさん！帰って来て！



目が醒めた。
あれ？ここどこ？私のベット？何でここにいるの？
私…亮ちゃんに…

思い出しそうになったとき、急に呼吸が苦しくなった。
やだ！助けて！息ができない！


俺はソファで横になっていた。
ベットでバタバタと音がしていて、目が醒めた。
「名津子！」
名津子は過呼吸を起こしていた。

「名津子！ゆっくり吸って、吐いて、吸って…」
俺の言葉に合わせて呼吸してます整えさせた。
呼吸が緩やかになり、名津子は落ち着いた。


「名津子、大丈夫？」
「ジュノさん…」

自分を支えてくれるジュノさん。同時に自分に起きたことが思い出され、思わず、ジュノさんの手から逃れた。
「ごめんなさい。私、汚いの。触らないで。」
「汚い？何が？」
「汚い。ここも、ここも、ここも全部。全部汚い。」

名津子は体を触りながら、自分の体が汚いと言いはる。手を俺に見せ、訴えるように言う。
「ほら、こんなに黒いの。だから触らないで。ジュノさんまで汚れちゃう。」
幻覚か？

「名津子、ちょっと眠ろう。寝たらスッキリするから。」
俺は名津子に睡眠薬を飲ませようと差し出すと、目を見開いた。

「…イヤ。クスリはイヤ。」
「名津子？」


名津子は何を飲まされたんだ？どうしたら…