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思春期なのです。

第5章 学校

そのとき、同い年くらいの女の子達がならんで歩いているのが見えた。

おしゃべりに夢中な彼女らはあたしに気づかなかったようで、そのままぶつかって転んでしまった。

「亜紀!」

すぐ美羽が駆け寄ってきて、何事もなかったように歩いていく女の子たちに、ごめんなさいとか言わないわけ?と険しい顔で呟いた。

「大丈夫。尻餅ついただけだよ」

えへへ、なんてキャラじゃない笑顔の裏には、あの子達への憧れがあった。

みんなと同じ制服着て、みんなで遊んで、バイトもしなくてよくて。

ほんとは、あんな風に皆で遊びたかったの…。

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