
神様の願い事
第1章 不思議な噂
潤「凭れてていいよ」
智「悪いね」
収録中にこそっと話す。
隣のリーダーに距離を詰めて不自然にならないよう肩を貸す。
ピタッとくっついた俺達に翔さんの視線が止まる。
見てる場合じゃないだろ。
アナタは早く崖を登りなさい。
和「ああ~」
雅「ぶら下がりフィニッシュまたやっちゃたねえ」
ほらみろ。
コッチばっかチラチラ見てるからだ。
潤「ほら翔さん、ちゃんと狙って」
翔「あ、ああ」
今度はニノがリーダーにくっついてる。
潤「赤ピン頼むよ?」
翔「うん」
潤「せーの…」
集中出来てないな。
雅「ああ~」
和「何やってんだよお~」
ボロボロだ。
潤「大丈夫?」
翔「や、うん。悪い」
リーダーはニコニコと笑って翔さんを見てる。
このボロボロが自分のせいだなんて思っても無いんだろう。
智「どしたの翔くん。今日散々だね(笑)」
翔「ご、ごめん」
智「んふふ、面白い」
ニノと相葉さんに挟まれてリーダーは翔さんに笑いかける。
和「翔さん顔」
雅「そんな落ち込まないで(笑)」
分かる。分かるよ翔さん。
複雑なんだよね?
智「翔くんのこういう所がいいんだよ」
ほらまたサラッと言うんだよな。
智「ちょっと残念なの。俺、好きだな」
翔「えっ」
こうやって見てみれば、翔さんも結構単純なのかも。
だってもう笑顔になった。
俺は神様に会ったけど願いはしてない。
だって仕事の事を願ったら専門外だと言われた。
受けるのはLOVEだけなんだと。
だからそれなら今の所問題無いなと願わなかった。
神様も言うんだ。
『そうだね。君には必要ないかもね』
初めて会ったのに、まるで俺の事をよく知ってるみたいだった。
それも神様だからなんだろうか。
やっぱ神様ってすげえ。
