 
4月は君のぬくもり
第10章 引き離された二人
晶午side
由衣とはあの夜別れて以来、ずっと連絡がとれない。
まさか転勤になるなんて……。
阪口のヤロウ、許さねえっ。
俺は屋上で寝そべり、ボーッと空を見ていた。
そこへ
「おい晶午!いつまで授業サボってんだよ?卒業できなくなってもいいのか」
幸二とえみが心配してやってきた。
「卒業なんてもう、どうでもいいよ…」
「…気持ちはわかるけど、進路だけでも決めないとだめだって」
「そうよ津田君。由衣先生だってきっと向こうで頑張っているわ」
「…」
「ごめん。オレ達気のきいた事何も言えなくて…」
「いや、いいんだ。ただ、今はほんとに何も考えられなくて…」
「晶午」
由衣、会いたい…。
もし俺のために姿を隠すなら
それは間違っているから。
 
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