
ご主人様は突然に
第4章 佐藤の憂鬱
「こんなとこで
そんなことしないでくださーい」
緩急をつけながら指を動かし
再びキスをしていると
ベンチの横から声がした。
「……カオ……ル……」
先に岩熊さんが
目を見開いて声を出す
続いて顔を上げると
そばに落合が立っていて
俺たちを見下ろしていた
その表情には怒りの感情が潜んでいて
ビクッと身体を強ばらせる
「……落合?なんでここに……」
恐る恐る声をかけると
落合はにこっと微笑んだ
その顔がすごく不気味で
動揺して指を動かしてしまった
「あっ……」
ナカに刺激を与えられた岩熊さんは
とろけた表情をして小さく声を出し
必死に俺の腕を掴んでいる
「佐藤お前、なにしてんの?」
「なにって……」
「コイツの¨ご主人様¨は俺なんだよ。
勝手に触ってんなよ」
「は?」
ご主人様?
落合の顔を凝視してると
岩熊さんを見てにやりと笑った
「コイツの首見ただろ。
契約の¨しるし¨みたいなもんだ」
「はあ?意味分かんねーよ。
お前なに言ってんの?」
「そのままの意味だけど。
俺が雇い主で、コイツがメイド的な?」
「メイドぉ!?」
なおさら意味が分からない。
訝しげに落合を見つめると
さらに近づいてきてしゃがみ込み
岩熊さんの頭を撫で始めた
「あーあ。こんなになって……」
「……っ……」
岩熊さんはギュッと目をつむり
落合から顔をそむける
そして無意識なのか
腰を小刻みに揺らしていて
俺の指が奥へ誘われてる気がした
……エロ……ッ。
どうしようもなく興奮した俺は
中途半端に挿入していた指を
奥深くまで押し込んだ
「はぁっ!……うぅ……」
快感に抗えないという顔が可愛くて
俺のモノは限界まで硬くなる
「おい佐藤。調子のんなよ。
今すぐそこから指抜けっ!」
「……嫌だ」
「あ“?」
落合にギロッと睨まれて
一瞬怯んだけど
俺だってもう引けない
「岩熊さんのこと好きなんだよっ!
緒方の代わりに守ってやりたいんだ!」
「へぇ~?」
落合は意味ありげににやつきながら
ポケットに手を突っ込んだ。
