トクベツ、な想い
第6章 6
「買ってきてくれてたんだ…」
タッパに入ったお粥を温めて
清涼飲料水をグラスに注ぎ、テーブルに持っていく
テーブルの上には薬と冷えピタとマスクの箱が置いてあった
「はぁ…お礼…言わなきゃ」
こんなに俺の為にやってくれたのに…
折角顔見せてくれたのに…話してくれたのに…
何追い出してんだよ俺…
理由にさえ拘らなかったら
もしかしたら明日から普通に話してくれたのかもしれないじゃないか
今更…
ホント…後悔は先に立たない
大きなため息を出した
ソファに座った自分の太ももを拳で何度も殴る
明日…会社で呼び出して謝ろう
避けられてもいいからちゃんとお礼を言おう
食べ終わってから軽く片付け
薬をしっかり水で飲み、寝室に戻った
テーブルランプの横に置いておいたiPhoneが光っている
潤?と思ったがすぐに違うよなとメールを開いた
みゆちゃんだった
あからさまにガックリとうなだれる
いやいや失礼だろ…返事はしてないが好きな人のはずなのに、何ガッカリしてるんだ俺…
メールには大丈夫?だとか看病に行きたいと書いてあったけど
そんなに悪いわけでもないから『大丈夫』と返した
俺ん家を教えておいた方が良いんだろうか…
また聞かれた時でいいか
それから後は明日に備えて安静に過ごした
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