テキストサイズ

犬猿の仲良し

第17章 変えろ

そんな顔ってどんな顔だよ…。

璃「俺、好きになる資格ねぇし」
神「それは資格があるんなら好きって事だろ?」

それを言われてはっとした。
確かにそうだ。
今のは言葉の綾って訳じゃない。
俺の率直な感想だ。

璃「神楽が思ってるのと俺の好きは違う…と思う」
神「…というと」
璃「小さい頃からずっと一緒にいて、離れるのは慣れてない。喧嘩の方が多いけどそれを嫌だと思ったことはない…やっぱり分かんねぇ。これが好きって事なら俺は健太のことが好きなんだな?」
神「俺ぁライバルの後押しはしたくねぇんだがな…自分の気持ちに素直になってみろ。見るに璃玖は何かを拒否してる気がしてな。さっきから黙りこくってっけどよ、花火君はどう思うわけだ?」
花「そうだなー…、今の璃玖は見ててイラッとするかな。」
璃「い…?!」

予想外すぎる言葉にショックを受けた。
嫌われたのか?

花「まだ家には行ってないんだ?」
璃「あ、はい」

花火から妙な威圧感が伝わってきた。

花「本当に健太君に学校来て欲しいって思ってる?」
神「なるほど」
花「健太君が来なくて安心してるんじゃない?」
璃「…何か会うのが怖ぇんだ」
神「俺だったら学校サボってでも連れ戻しに行くが…璃玖からはそんな気が感じられねぇな。」
璃「…」

何もかもが図星だった。
反論出来ねぇのかよ…。

神「悪いが背中貸してくれるか」

背中?
俺は頭にはてなマークを浮かべながらも、言うとおりに背中を向けた。

神「せー、のっ!!」

バッシーン!!!!

璃「い゙ってぇぇぇぇぇええ!何すんっ…!!」

2人分の衝撃が背中に走った。
俺が痛みに耐えながら2人に目をやると、2人は満面の笑みを浮かべた。
その時、俺は2人の意図を理解した。

璃「虐待だろこれ…」
神「いってこい!!!」
璃「…おう」

この2人がいなかったら俺はどうしていただろう。
ずっと親友を失ったまま一歩を踏み出せずに過ごしたのかもしれない。
…感謝しきれねぇ。

花「でも今は行けないよね」
神「雰囲気だろ、雰囲気!!」

ぶち壊してんじゃねぇよKY共。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ