テキストサイズ

薔薇寮の淫

第1章 それぞれの事情

・横尾side

そんな俺たちの寮に今日、転校生がやって来た。

ほら、全員の眼の色が変わったぜ。

誰が最初に、そいつをモノにするか。

弱肉強食の世界では、よくある事だが…

必ずと言っていいほど。

強い奴の下にはその保護を受け。

いい思いをしようという奴が集まり自然と群を成す。

ここも例外ではなかった。

各グループごとに強いリーダーが存在し。

まるでハーレムの如く手をつけた奴を囲い。

それを、メンバーの奴らが共食いする。

ルールはない、最初にそう言ったが。

一応ここにも暗黙の決まりみたいなものはある。

それは―

グループのリーダーが手をつけハーレムの中へ囲った奴に。

そのグループ外の連中は手を出してはならないという

グループ同士の争いを避ける為に出来たようなものだろう。

それを破ったら大変なことになってしまうのは。

いちいち説明しなくても、分かるんじゃないか。

だが、たとえ他のグループの奴のネコだったとしても

リーダーが手をつけていなければ奪える。

ややっこしい話しだが。

結果奪い合いは一向になくならず。

全ての奴がグループに所属しているわけではないし。

中には一匹狼もいればコンビを組んでいる奴らもいる

要は、そんな状況下の中。

気に入った奴をどうやって他の連中に取られないよう護り。

モノにし、それからも護り通すか。

奪われたら奪い返す、だがリーダーに奪われたら奪い返せない。

なら、そのグループに所属してリーダーのおこぼれを頂戴する?

もとは自分のネコ、気持ちは複雑だろう。

が、逆に危険を察知し自分のネコをリーダーへ捧げる奴だっているんだ。

しかし必ずリーダーがそいつを気に入ってくれるとは限らないがな。

俺達だって誰ふり構わずってわけじゃないから。

好みだってある、フッ!

それにグループの中へ所属するには。

自分の身体をそのリーダーへ、捧げなければならない場合だってあるんだ。

つまりはリーダー次第ってこと。

とにかく、ここはいろんな連中が集まって来ている。

俺は、そう言いたいだけだ





ストーリーメニュー

TOPTOPへ