好きになったらダメだよ
第4章 大人って大変だね?
お風呂から上がったら、ハーブティーがテーブルに置いてあった。
カモミールの香りがする。
「それ飲んでいいよ。」
ベッドにうつ伏せになり、漫画を読んでいる伊都。
今流行りのサッカー漫画を友達から借りてきたらしい。
人肌に温められたハーブティー。
一口口にするだけで、飲み会で疲れた胃を癒してくれる。
「ねぇ、なんでハーブティーなんてあるの?」
一人暮らしの男には似つかわしすぎる。
伊都が好んで飲むとも思えないし。
「真鈴が実家にたくさんあるからってくれた。」
「ふうん。刈谷さんと仲良いんだね。」
やっぱりこの部屋にある化粧品たちは彼女の物だろうか。
「なに?焼きもち?」
「あのねぇ!私が焼くわけないって言ってるじゃん。」
振り向きざまに忠告すると、伊都が漫画から顔を上げていて、振り向いた私にそのままキスしてきた。
「んっ…っ……。」
ズルズルと這い出るように、ベッドからずり落ちる伊都。
私をベッドの側面に押し付け、濃厚なキスを続けてくる。
舌と唾液が一緒になって、私の口の中を浸食していく。
「んっんっんっ…はぁん……」
「……焼いてくれたらいいのに。」
キスの合間に微かに漏れた伊都の言葉。
寝巻きのパーカーのチャックが、胸の中央あたりまで下げられた。
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