好きになったらダメだよ
第7章 一緒に作ったらいいじゃん?
ジーパンにTシャツ、小さめのリュックを背負った伊都。
一度家に帰って、いるものだけ持ってきたのだ。
「早かった?」
「うんん。大丈夫。どうぞ。」
そう言って、招き入れた瞬間、玄関先で伊都に抱きしめられた。
「落ち着く。愛莉の匂い。」
その言葉に反応して、私も伊都にぎゅーっと抱きつく。
彼の鼓動を聞いて
息遣いを感じて
傍にいることを実感する。
「伊都……会いたかった……」
自分の口から言葉が漏れる。
禁句だって思うけど、止められなかった。
伊都の指がクッと私の顎を上げる。
「そんなに俺に会いたかった?」
試すような物言いをするときの伊都は、いつもどこか子どものように、悪戯っ子の顔をする。
「……うん……」
頷く前に、唇をふさがれた。
お互い貪るように、唇を離しては付け、何度もキスをした。
「あっ…はぁぁ……」
「んんっ……あっん……」
息を漏らして、伊都の首に手を回して、唾液も舌も伊都に染められていく。
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