私の心の1番綺麗なところに
第29章 曇り心
川上さんとの付き合いは
はじめは新鮮だった。
同じバイト先で付き合っていることも、
バイト仲間には秘密にしていたから
秘密の関係という気がして
照れくさいような、嬉しいような。
だけど、途中から
そんな新鮮な気持ちは、なくなった。
私のバイトのレジは横に4つ並んでいて、
その時の忙しさによって、
レジに入る人数はバラバラだけど、
お客さんが来ない時は
レジで作業をしながら
横で同じく作業をしている仲間と
話すこともあった。
それが男でも女でも
彼は不機嫌になった。
「俺はこんなに頑張っているのに
お前はレジで話してて気楽だな。
少しは俺を見て自分も頑張ろうとか
思わないわけ?」
そう言われたことが何度もあった。
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