私の心の1番綺麗なところに
第23章 傷
こんな時間に、女の子ひとり
自転車といえど外へ出るのは危ない。
でも、自転車なんだから
変な人が現れても
正当防衛として轢いたりすればいい。
そう思って外に出た。
優貴の部屋まで自転車で約10分。
国道沿いの道を漕いでいた。
そこは少し上り坂になっていて
漕いでいると、国道から
外れる細い道があり
その細い道の入口
(歩行者道)に、男がいて
こっちに向かって手を振っていた。
うわ、ほんとに変な人いた…
そう思いスルーしようとすると、
「手伝ってもらえませんか?」
と、呼び止められた。
手伝う…?
思わず止まってしまった私に、
「すみません、ここの川に
家の鍵を落としてしまって。
暗くてよく見えないので
一緒に探してくれませんか?」
と、言った。
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