
私の心の1番綺麗なところに
第18章 汚されたもの
鍵をかけ忘れたあの日から
外へ出るときは厳重に
チェックするようになった。
かける。
ガチャガチャとしてみる。
目と手で確かめる。
それだけの動作なのに
怖くなっていた。
「無意識」に
あけていたらどうしよう。
鍵をかけたあと、
部屋からエレベーターまで
歩くのにどうしても
その考えがよぎり
戻っていってしまう。
5〜10分、
何度も確認しては歩き、
気になって戻るを繰り返す。
エレベーターに乗ると
不思議とその恐怖にかられない。
変に割り切ったというか。
部屋からエレベーターまでの
数10mが、どうしても
恐怖だった。
