けだもの系王子
第4章 慶紀、友達系?
あたしのスマホから着信が鳴る。
けいちゃんの名前が表示されている。
とうとう電話してきたか……。
『なぁ、真香、こないだの事怒ってんのか?
そんなに嫌だったのかよ?』
不機嫌そうなけいちゃんの声。
だけど、あたしの方が不機嫌なんだから。
「なんの事?」
何故だかそう答えてしまった。
息をのむような声が聞こえた。
『何だよそれ……、何もなかった事にしたいのかよ?』
「別に何も……」
手が震える。
どうしてこんな事を言ってるのか、自分でも良く分からない。
『ふざけるなよ?俺は……っ!
明日、11時に迎えに行くから、ちゃんと話しよう。
逃げるなよ?』
「分かった……」
会いたくない。
会うのが怖い。
だけど、このままだと友達でもいられなくなる。
………………?
良く分からない感情があたしを支配していた。
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