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マーメイドな時間

第11章 桃太郎に……

 しばらく歩いた時だった。



「……」


 道端に人が落ちていた。いや、人型のなにかだ。


「なにこれ?」



 大きさは150センチあるかないか。


 触れてみると、質は柔らかい、ビニール製だ。口は丸く開いたまま。どうやら、女人のようだ。


 これか?


 これって、まさか夜の玩具?


 おじいちゃんが持ってたやつと似てる。おじいちゃんに「これなに?」て聞いたら、「大人になったらわかる」と言ってたやつだ。


 ビニールの人形か。


 まさかな……これはただ落ちているだけだ。


 これがお供なわけない。

 後ろを見た。



 あり得るな。



 だが、この先は海だ。



 て、ことは、この先ボートに乗るまでは、なにも出て来ない可能性がある。


 こいつを担ぐしかないのか。


 持つと、すごく軽かった。


「これをひとつあげるから、ついてきなさい」


 そのポッカリ開いた口に、きびだんごをひとつ詰めた。


 人面犬、ヤンキー、ダッチワイフ、これ、なんなのっ!?


 犬とヤンキーは、まず大目にみよう。だが、ダッチワイフがなんの戦力になる!?


 こいつはDDTプロレスの「ヨシヒコ」選手か!!(本当にあります)


 ドラクエの仲間になるモンスターでも、ダッチワイフはないぞ。


 こうして、桃太郎(?)は、人面犬、ヤンキー、ダッチワイフをお供につれて、鬼ヶ島へ、向かうのでした。



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