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愛したカノジョは指名手配

第11章 桜庭彩佳①

藁にもすがる想いで橘に

全ての経緯を打ち明けた。
ヘッドスパを施している状態で橘は黙って
私の話を聞いていた。

「そういうことでしたら僕が一役買いましょう」

橘は起き上がると携帯電話で話を始めた。

「3000万円をミカド金融に振り込んでください。
桜庭彩佳名義でお願いします」

借金を肩代わりしてくれるということか。

まさか……そんなに旨い話があるとは思えない。

相手は橘龍平。

必ず何かあるはず。

それによくよく考えてみれば借りた相手が
代わっただけの話だ。

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