カラダも、ココロも。
第3章 新人社長
「新しい、アタシ達の上(上司)よ」
男の長い手がマイクを包む。
薄い唇にそれが近付けられて…。
「皆さん初めまして。私、藤井喜文の息子の藤井一臣です。
今回私は、父である喜文から社長の引き継ぎを受けました。
まだ拙い所もあると思いますが、宜しく御願いします。」
そう言って、深く礼をする。
見た目に劣らず、声色、動作までもが美しい。
若社長で、容姿も良くて、礼儀も良い。こんなに条件が揃ってる人がいるなんて、神様は意地悪だ。
社長をみて、あちこちから女性陣の黄色い声が上がる。
もちろん私もその1人だ。
(どうしよう、
どうしよう、どうしよう……これからこんなカッコイイ人が社長だなんて…ラッキーすぎる!)
突然、視界を遮る手。
それは店長のものだった。
「あら〜〜?見とれちゃってる?」
「……ち、違いますっ!!」
「ふふ、案外ミーハーなのね」
ニヤニヤと笑う店長。
完っ全に見とれちゃってるの気付かれてる!
恥ずかしいなぁ…。
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