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不透明な男

第4章 探す男


久し振りですからね、アナタとゆっくりしたかったんですよ。とニノは罰の悪そうな顔をした。


智「そなの?おれもゆっくり話せて楽しかったよ」

和「なら、良かったです」

智「んじゃ、そろそろタクシー呼ぶよ」

和「もう泊まって行きなさいよ。何時だと思ってるんですか」


時計は夜中の3時を指そうとしていた。


智「あら…」

和「ね?諦めなさい」

智「はい…」


ニノに促されてシャワーを浴びてベッドに入る。
ソファーで良いからと言う俺に、アナタをそんな所に寝かせられません。ともの凄い目力でベッドを薦められた。


智「ニノ…やっぱおれソファーでいいよ」


シャワーから出てきたニノに言う。


和「いいから、ベッドで寝てよ」

智「お前が風邪引いちゃうだろ?」

和「毛布もあるし大丈夫ですって」

智「…んじゃ、一緒に寝るか。コッチおいで」

和「へっ!?」

智「なんだよ…」

和「や、だって」

智「このベッド広いじゃん。2人くらい余裕だろ」

和「や、そういう事じゃ…」

智「なんもしないよ(笑)」

和「あ…当たり前でしょうよ!」


ニノは紅い顔をして降参した様にベッドに入って来た。



背中合わせでベッドに籠る。
離れているのにニノの温かい体温が伝わってきて、俺は心地よい眠りに堕ちた。



…とし、智…

俺を呼ぶ声は近付いてくる

智…

その声は、俺を優しく包んだ。







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