
不透明な男
第4章 探す男
馴れ馴れしく俺の肩を組むニノ。
多分年下だろうと思われるこの男は物凄く可愛く微笑む。
そのくせ口からは生意気な言葉が溢れ出す。
和「記憶は無くしても、その立ち居振舞いは忘れないんだね」
智「へ?」
和「どうせなら、もうちょっとビシッとして戻ってきてよ」
智「ええ、おれどんなだったの」
和「そんなだよ。ふわふわふにゃふにゃしてるの。」
智「なんだよそれ…」
和「こっちの台詞だよ」
積もる話もあるだろうから、いや、アナタは無いでしょうけどとか言いながら、さっきニノが言っていたバーへと向かう。
和「知ってる場所なら何か思い出すかもしれないでしょ?」
智「そうだね」
カランコロン…
なんだか聞いたことあるな。そんな感じがした。
●「いらっしゃい」
和「ヘイ、マスター!」
爽やかに迎え入れてくれたのはこの店のマスターだった。
