
お嬢様と二人の執事
第13章 未来への階
「さとの会社にも契約の文章のチェックをしたり、コンプライアンスに関わるような決まりを作ったり特許とか権利に関するようないわゆる法務を司る部署ってあるでしょ?」
「うん、あるよ。」
「そういう部署にね、弁護士が社員として所属するの。その会社のことだけを行う弁護士もいれば、その部門を法律事務所のようにしてほかのクライアントの仕事を受けるケースもあるの。そういう形で仕事をする弁護士を私たちは企業内弁護士って呼ぶの。」
「ふーん。そうなんだぁ。」
そう呟くと沙都子は思案する顔になった。
黙り込む沙都子に麻紗が声をかける。
「さと?どうしたの?コーヒー、醒めちゃうよ?」
先ほどまで湯気をあげ濃厚な香りを振りまいていたコーヒーの芳香をいつの間か、感じなくなっていた。
沙都子はぬるくなったコーヒーを口に運んだ。
「一也さん…ちょっといい?」
沙都子が高宮を呼ぶ。
高宮は沙都子の顔を見てにやりと笑った。
「構わないと思いますよ。」
沙都子が何も話していないのにその考えに賛同すると言う高宮。
「社内の調整は私が行いますからその点は心配なさらなくていいですよ、沙都子様。」
その様子を見ながら、冷めたコーヒーを下げ、新しく紅茶を入れてきた神山は静かにサーブする。
今は東堂グループ内部に関わることを話している。
故に神山は自分はその中には加わらず、あくまで自分の職分に沿うことをしている。
3人のバランスの良さがよくわかる光景だった。
「うん、あるよ。」
「そういう部署にね、弁護士が社員として所属するの。その会社のことだけを行う弁護士もいれば、その部門を法律事務所のようにしてほかのクライアントの仕事を受けるケースもあるの。そういう形で仕事をする弁護士を私たちは企業内弁護士って呼ぶの。」
「ふーん。そうなんだぁ。」
そう呟くと沙都子は思案する顔になった。
黙り込む沙都子に麻紗が声をかける。
「さと?どうしたの?コーヒー、醒めちゃうよ?」
先ほどまで湯気をあげ濃厚な香りを振りまいていたコーヒーの芳香をいつの間か、感じなくなっていた。
沙都子はぬるくなったコーヒーを口に運んだ。
「一也さん…ちょっといい?」
沙都子が高宮を呼ぶ。
高宮は沙都子の顔を見てにやりと笑った。
「構わないと思いますよ。」
沙都子が何も話していないのにその考えに賛同すると言う高宮。
「社内の調整は私が行いますからその点は心配なさらなくていいですよ、沙都子様。」
その様子を見ながら、冷めたコーヒーを下げ、新しく紅茶を入れてきた神山は静かにサーブする。
今は東堂グループ内部に関わることを話している。
故に神山は自分はその中には加わらず、あくまで自分の職分に沿うことをしている。
3人のバランスの良さがよくわかる光景だった。
