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どれだけの時間を走ったのか。
息すらし忘れる数分間を彼らは走り終えた。

目当ての場所は聖堂に遮られた古きかつての教会。
廃屋に程近い、かつての異教徒達の祈りの場。

緑に覆われながらも、石造り故にひっそりと建っている。

彼らはまた、互いに顔を合わせ頷きあった。
扉は無いにも等しく、彼らの足を拒まない。中へと入る。

ぼろぼろに朽ちた長椅子。風雨に晒され雨風の跡を残す壁に床。
ｼﾞｬﾘ、と靴音が鳴る。
教会奥に祭壇が設置されてあり、その向こうに置かれた物。

彼らはﾒｶﾞﾈのｶﾞﾗｽ越しに見た。

年代物のｸﾞﾗﾝﾄﾞﾋﾟｱﾉがあった。