
アイツまで徒歩5分
第12章 夜を追いかけ朝になる
「――――陣ヶ岡さん…俺…ビビってます…」
え――――――…最知も…?
「…俺、一関の時…めちゃくちゃ痛くて……痛くて…痛くて痛くて痛くて痛くて痛くて…」
相当…痛かったんだな…
「―――…アレを…陣ヶ岡さんとする?って…思ったら…めちゃくちゃ怖いです」
あ―――――…だよな…結構な…初体験だったからな…
「―――――でも…上書きって…出来ますよね?!」
――――――…上書き?
「俺は、知ってます…
陣ヶ岡さんの…優しいキスも…
陣ヶ岡さんの…優しい指も…
陣ヶ岡さんの…優しい愛撫も…
陣ヶ岡さんの……優しい…体…を…
だから……一関が俺に与えた苦痛を―――――…陣ヶ岡さんなら…上書きできるって………思ってます!!」
あ―――――…あぁ…
ヤバい…
俺は――――…何故に…
【先輩】を保存し続けているんだ…
俺も知っている―――――…
最知の…優しさ…
最知の…可愛いらしさ…
最知の……男らしさ…
最知の………愛おしさ…
まだ…まだ…上げたらキリがないくらい
最知の事を見てきたじゃないか――――――――…
