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☆ラリマーの扉☆

第25章 深緑の王女の役目

「私はこの木に身を捧げ、もとの地に戻します…」

───…この希望も光もない地。

「…いきます」

メルレは祈りを捧げた。

祈ると、何やら結界が出てくる。

その結界は深緑色に染まっている。

「……」

何が起きるのだろうか。この地で…
一体何をするのだろう……?

「はあぁぁぁぁっ………」

さっき小さかったメルレは
大きくなってきている。

大人の妖精へと変わる。


結界がパラリと割れた。
その中には美しき女神とよんでもいいくらいのメルレがいた…

目を開けるその一瞬が美しい。

深緑の瞳孔もまた美しくて────…

「アズヤ…」

おれの名前を呼んだ。

「…うん?」

「ありがとう。次が本当の儀式です」

本当の……儀式………

「あの道が開くよう、私は力、心血を
注ぎます……」

「うん……」

協力だけなのになぜか悲しくなる。
見守ってと言われているだけなのに
なぜか……悲しくなる。

「っ…どうかっ…見守ってください」

「わかった…」

メルレは涙を流しながらも微笑んだ。

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