旅は続くよ
第42章 最後の思い出に
ベットの上、翔ちゃんの左側に潜り込んで
そう言えば、前に一緒に寝た時はもっと分厚い布団を掛けていたっけ…
そんな事を思い出したと言うと、ベッドサイドの薄灯りで少し影になって見える横顔が何度も頷いてくれた
S「あ~、そうかも…。確かリビングにコタツ出てたんじゃね?」
N「うわっ、そっかぁ。今じゃ見たくもないね、コタツなんて」
S「んははっ、可哀想に。あんなに重宝がられてたのにな」
N「そりゃさと兄にでしょ。あの人、カメみたいになってたじゃん」
S「そういや、前にここで智くんの話したんじゃなかったっけ…?」
N「ふふっ、覚えてる~。“冷蔵庫に釣りのエサ事件”ね」
S「そうそう。誰かさんが『眠れないから面白い話しろ』って言うから」
N「だって、誰かさんが『俺はデキる男だから失敗談なんか無い』って言うんだもん」
S「ははっ。まあ、デキル男ってのは事実なんで」
N「あれ、まだそのキャラ通すつもりなんですか?」
S「こら。キャラじゃねーっつーの」
N「んふふっ」
仰向けに並んで、バカな話をして
久しぶりに翔ちゃんと笑って話せた気がした
やっぱりこの人と笑い合ってると心が浮き立つ
それは、やっぱり相葉さんと話す楽しさとは違っていてんの
声聞いてるだけでドキドキして
交わす言葉に体温が感じられて
翔ちゃんの事を知るたびに嬉しくて
上手く言えないけど…そんな楽しさ
ずっとこのまま時が止まって欲しいな…
そんな事を心の片隅で願っちゃうんだ
他愛のない事を喋り続けてる内に、つい小さく欠伸をしちゃったら
S「…もう寝よっか」
目敏く気づいた翔ちゃんがベッドサイドの灯りを消した
N「…まだ眠くない」
S「嘘つけ。欠伸してたくせに」
N「…ホントだもん」
S「眠くなくても目を瞑ってな。明日は大事な日だろ?」
父親に会うのなんか大事じゃない
俺にとって大事なのは翔ちゃんだよ
翔ちゃんが1番大事なんだよ
でも、そんな事はもちろん言えないから
N「…おやすみなさい」
S「…おやすみ」
低い穏やかな声に目を閉じた
そう言えば、前に一緒に寝た時はもっと分厚い布団を掛けていたっけ…
そんな事を思い出したと言うと、ベッドサイドの薄灯りで少し影になって見える横顔が何度も頷いてくれた
S「あ~、そうかも…。確かリビングにコタツ出てたんじゃね?」
N「うわっ、そっかぁ。今じゃ見たくもないね、コタツなんて」
S「んははっ、可哀想に。あんなに重宝がられてたのにな」
N「そりゃさと兄にでしょ。あの人、カメみたいになってたじゃん」
S「そういや、前にここで智くんの話したんじゃなかったっけ…?」
N「ふふっ、覚えてる~。“冷蔵庫に釣りのエサ事件”ね」
S「そうそう。誰かさんが『眠れないから面白い話しろ』って言うから」
N「だって、誰かさんが『俺はデキる男だから失敗談なんか無い』って言うんだもん」
S「ははっ。まあ、デキル男ってのは事実なんで」
N「あれ、まだそのキャラ通すつもりなんですか?」
S「こら。キャラじゃねーっつーの」
N「んふふっ」
仰向けに並んで、バカな話をして
久しぶりに翔ちゃんと笑って話せた気がした
やっぱりこの人と笑い合ってると心が浮き立つ
それは、やっぱり相葉さんと話す楽しさとは違っていてんの
声聞いてるだけでドキドキして
交わす言葉に体温が感じられて
翔ちゃんの事を知るたびに嬉しくて
上手く言えないけど…そんな楽しさ
ずっとこのまま時が止まって欲しいな…
そんな事を心の片隅で願っちゃうんだ
他愛のない事を喋り続けてる内に、つい小さく欠伸をしちゃったら
S「…もう寝よっか」
目敏く気づいた翔ちゃんがベッドサイドの灯りを消した
N「…まだ眠くない」
S「嘘つけ。欠伸してたくせに」
N「…ホントだもん」
S「眠くなくても目を瞑ってな。明日は大事な日だろ?」
父親に会うのなんか大事じゃない
俺にとって大事なのは翔ちゃんだよ
翔ちゃんが1番大事なんだよ
でも、そんな事はもちろん言えないから
N「…おやすみなさい」
S「…おやすみ」
低い穏やかな声に目を閉じた
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