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刑事とBG

第1章 刑事とBG~前編~



さきほどの悲鳴で会場はざわついていた。
祐司たちが下に降りると、招待客たちが詰め寄ってきた。


「さっきの悲鳴は何!?」
「団蔵さんが死んだって本当!?」

「落ち着いてください、ひとまず会場にお戻りください。
事情を説明します」


圭吾が冷静に対応していると…


パリンッ!

「きゃあああ!!」

どこかでグラスの割れる音がした。


会場はパニック状態になりつつある。
祐司はすかさずマイクを手に取った。


《皆さん、まずは落ち着いてください!》


祐司が声を張り上げると、一瞬でざわめきが収まった。
全員、祐司に注目する。


《私たちは警備の者です。今回、原黒団蔵様の依頼で、この屋敷を警備するように頼まれました》


祐司は周りを見渡し、更に続ける。


《しかし私たちの注意不足で、犠牲者を出してしまいました…》


一呼吸置き、


《原黒団蔵様が、お亡くなりになりました…》


ザワッ

再び会場はざわめいた。


《皆さんには、ひとまずこちらで待機してもらいます。ご迷惑をかけて申し訳ありません!》

祐司は深く頭を下げた。


会場はまだザワザワしている。
が、パニック状態は収まったようだ。


すると、パーティー会場に斉藤が入ってきた。
どうやら現場検証を一通り終えたようだ。


「貸せ」


斉藤は祐司の持っていたマイクを取り上げる。


《えー…あー、すんません》


今度は斉藤に注目が集まった。


《オレは刑事なんすけど、…団蔵さんのことについて、パッと見た感じを伝えようと思いまーす…》



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