
背徳教師
第5章 五時間目
「尾長教頭、教材の件で営業の方が挨拶にいらっしゃってます
談話室に通しましたのでよろしくお願いいたします」
尾長 敏子(オナガトシコ)
教師歴33年のベテランだ…
理事会の信用もあり…長くここの教頭をしている
校長にならないかと…声をかけられてはいたが…「自分は、現場に近いこの役職が合ってます」とか、言って何度も断っているとか…いないとか?
人からの又聞きだ……信用はしていない…
「では、談話室に行きます…お茶とかはいいです!話をきくだけですから」
尾長教頭は、“来なくていい”と言う壁を作ったのだろうか…
もし、真意が違う場所にあるなら…これは行くに限る…
「は…はぁ……」
尾長教頭は、俺の言葉の余白を気にすることなくデスクから離れると…
談話室に向かって歩き出した…
足取り軽やか?とは、いかないか…50過ぎのオバサンだ……
