
痴漢
第1章 1
「きつー…」
電車に乗ると、いつもより人で溢れていた。
ギリギリ入った私の前にまた人が来た。
男だ。
私より、少し年上。
顔も私の好みだわ。
(この人にしよ♪)
相手は私の前だから、パンツを見せることは出来ないし。
胸しかないわね。
電車が揺れた瞬間、私はわざとよろけたように、男の背中に、自慢の胸を押し当てた。
わざととバレないように、
「ご、ごめんなさいっ!」
そう言ってすぐに離れた。
と言っても満員電車の中だ。
胸を当てないようにしても密着してしまう。
彼は、こちらに身体を向けてニコリと笑みを見せた。
「君みたいな可愛い子に抱き着かれたみたいで、俺は全然嬉しいから平気だよ」
と、笑顔のまま言った。
カッコイイが、この人はかなりのやり手だ、と分かった。
「ありがとうございます」
微笑むと向き合ったまま沈黙。
よし、ここは……
手を前で組み、谷間をさらにつくり、相手に見えるように
顔を何処か見るように横に向けた。
これで、彼からは胸の谷間がしっかり見えただろう。
