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腹黒ドS王子の愛する人Another

第3章 朔弥 × 元 の場合

「あーあ、指導係北浜先輩ならよかったのに!」



そう言ってエリカはブスくれたように膝をつく。



「指導係もう決まったのか?」



「さっきねー!」


「だれだったんだよ?」



何となく気になって問いかけると、返ってきた名前はあまり聞き馴染みのないものだった。





「榊 朔弥先輩よ。」




榊 朔弥?





「ほら、いつも北浜先輩と一緒にいる。」



そんな花の言葉に、ぼんやりと頭の中に1人の男の人が思い浮かんだ。





「あー、あの人。」



「超地味なの!ちょい目つきも悪いからなんか怖いし。」





最悪ーと言いながら項垂れるエリカ。



そりゃぁエリカたちのような好みから見たら地味な人だろう。パァッと目を引く派手な北浜先輩とは正反対に、榊先輩は素朴な顔立ちだ。二重の切れ長な目はややつりあがり、人によっては冷たい印象を受けるだろう。 



だけど、整った顔立ちをしていると思う。


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