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虹色の精霊に導かれて…

第5章 ハワイの懐かしさに乗って

二宮視点

 濡れてしまった衣装から、移動で来ていた私服に着替えた頃、雨は嘘のように止んでいたが青空は無くなった。

 ほとんどの機材も同行トラックに積み込まれていた。


 チーフが一人でいたから側に行く。

「ちょっといい…」
 小さめの声で話っかける。


チーフ「何か問題か…」
 チーフはいつものように、冷静なトーンで言う。



「問題と言うか…確認… …」

(翔さん、何かあったの?)と喉まで出ていたが、飲みこんだ。


(きっと、チーフは何も教えてくれない

 だって、チーフは翔さんの事……)


チーフ「………櫻井…の事か?」
 目を伏せながら小さく言うチーフ。


(ほら…真っ直ぐ見ないよね…何か隠している証拠だよ…)


「やっぱいいや!
 自分たちで、何とかする…」

 小さく頭をふって、話を終わらす。




チーフ「二宮…いつもすまないな…」
 チーフは何か言いたそうな顔でほほ笑む。

「いいえぇ」
 俺も、ふっと笑う。


(チーフだって苦しいはずだ。
愛する人達を守るためなら俺だって、必要なことだって言わないさ…)


「ああ、そうだ!チーフ今日の夜は何も会食入ってないよね?」

チーフ「ああ、大野がああだったから、予定は入れていない」

「じゃ、今日の晩御飯は五人でゆっくりするから、『時間』ちょうだい♪」
 笑顔でおねだりしてみた。


チーフ「そうしてくれ…」

 俺からの『おねだり』が、チーフからの『お願い』に変わった。




M「ニノ?チーフと何話しているの?」
 潤くんが、険しい顔して近づいてきた。


 潤くんは、あんまりいい話じゃない事を、コソコソ話をしているとすぐ嗅ぎ付ける。


(さすが…それも、翔さん絡みは、絶対鼻が利く!でも、これは俺の仕事です…)

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