甘く、苦く
第64章 にのあい【sunshine】
「…和、」
「んー?」
スマホをいじってる俺に、
兄貴が話しかけてきた。
「学校、どうだ?」
「ふつーだよ。
なんとなく周りに合わせてる」
「…なんかあったら言えよ」
「なんだよ、急に。」
「…いや、別に」
変なの。
「…あー、…兄貴、
込み入ったこと聞くんだけどさ」
隣に兄貴が座る。
「ん?」
「彼女とか、いる?」
「ふっ、そんなことかよ。
…いるよ。」
「…そ、そっか。
そうだよね」
「んだよー、フラれて
寂しいのか?」
違う、違う…
そんなんじゃないよ。
ただ、
俺が兄貴のトクベツに
なれるかな、って
淡い期待をしてただけ。
「…そういうんじゃないよ」
「なんだよー、可愛いな、」
可愛い?
それって、どういう?
…どういう可愛い?
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