
甘く、苦く
第62章 大宮【素直に】
もうさ、
そろそろ飽きてきたわけよ。
人のノロケ話なんて
聞き飽きたんだよ。
「…今度、
ダブルデート行きません?
もちろん、俺と翔さんカップルで。」
「…はぁ!?」
「今すぐにとは
言いませんよ?
忙しい時期ですし…
そうですね。
いつごろがいいですかね?」
「…」
全部ダメだよ。
ちきしょう。
俺だって雅紀と二人で
過ごしたいんだ。
二人っきりの
甘い休日を。
「…ふふ、
翔さん決めてください。
日程とか、場所とか。」
「は!?」
全部人任せかよ!
心の中でそうつっこんでから、
ニノの方を見た。
…とても楽しそうだ。
とても。
羨ましくなるくらいだ。
…俺なんて
忙しさを理由に
雅紀をかまってやれてないのに。
狡いよな。ほんと。
