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甘く、苦く

第53章 磁石【move on now】session 3

二宮side



ショックで飛び出してしまった。

翔さんの家から。


ほんとはあんなこと
言うつもりじゃなかった。


…女なんかより、
俺の方が大事じゃないのかな。

もともと翔さんはノンケだ。

女に興味があっても
仕方ない。


それを踏まえて付き合ったのに。

しかも、今日は付き合って三ヶ月目。
それなのに、翔さんちを飛び出した。

っていうのは、昨日。


行く宛は、ひとつだけ。

大野さんち。

そこならきっと、
停めてくれるんだろーなって。

そんな甘い考えで
大野さんちに行った。


まさか、こんなことになるなんて。


「俺んち来たってことは、
いいんだよね?」

「俺、高いからね?」

「いいよ。
金なんていくらでもある。」

「なら、話しは早い。」



大野さんの首に手を回して、
ちゅっとキスをする。

啄むようなキスから
深いキスになる。


そんなに時間はかからなかった。


あーあ。
この前もう体は売らないって
約束したのに。


…ごめんなさい。
翔さん。



「ふぁ、ぁ、あ、」

「…二宮くん、気持ちい?」

「う、ん…っ」



大野さんの手で
俺自身を扱われる。

俺とあまり変わらないのに、
扱うのがうまい。


「ひ、ぁあ、」

「わ、ここ、蜜だらだら…」

「やだぁ…言わないで……」


大野さんにぎゅっと抱きついて、
背中に手を回す。


少し熱っぽい大野さんの瞳に
俺は捉えられてる。

寂しいから、
大野さんで満たしてよ。

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