甘く、苦く
第51章 櫻葉【ふたりの休日】
「食後の運動も大切だよね?」
「あ、ちょ、翔ちゃんのえっち!」
後ろから伸びてきた手を
ばしっと叩く。
翔ちゃんは不満げに
唇を尖らせる。
「雅紀のケチー。」
「ケチじゃないもーん。」
翔ちゃんの腕から逃げて、
リビングのソファーに倒れ込む。
そしたら、翔ちゃんは
俺の背中に乗ってきた。
「重い~…」
「ふふ、まーさき」
「なんだよー…」
耳を触られて、
体がぴくっと跳ねる。
俺が耳が弱いことを
知ってる翔ちゃんは、
構って欲しいときはいつも
こうやって耳を触ってくる。
「雅紀、ねーぇ」
「もー、なーに?」
「ふふ、なんでもねーよ。」
「…ばあか。」
「あ、言ったな?」
翔ちゃんが俺を抱き起こして、
甘いキスをした。
「お仕置きだ」って言うけど、
俺にとっては
お仕置きでもなんでもない
翔ちゃんとの至福の時間。
唇が離れると翔ちゃんの唇が
唾液でテカってた。
「…エロい。」
「はっ!?」
「翔ちゃんがエロい。」
俺は露になってる
翔ちゃんの首筋に吸い付いた。
「あっ」って短い、色っぽい声が
聞こえた。
ふふ、可愛い翔ちゃん。
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