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甘く、苦く

第89章 翔潤【純粋に】



でも、かまって欲しかったことは事実だ。

実は翔さんも、
そういう願望があったんだろうか。


「ねぇ」


俺の肩に熱い手が触れた。


「まだ…?」


翔さんの焦れったそうな声が
耳元で聞こえた。

そのあと、少しの間ができて。

「…ばか」

と、震えた声が聞こえた。

体を反転させて、
翔さんの腕を掴んだ。


「ぅわっ、」

「ごめんね」


翔さんを抱き締めて、
そっと口付けた。

抵抗する腕を押さえて、
首筋に舌を這わせた。


「ひっ…ぁ、」


びく、と大きく跳ねてから、
上目遣い気味に俺を見つめた。


「ここじゃ、やだ…」


胸を押されて、
やんわりと抵抗された。

それでも、今日はもう…。


「ごめん、我慢出来ない…」

「え?ちょ、ぁ、ねぇっ、」


翔さんの股の間に体をいれて、
雑に唇を重ねた。


「翔さん、いい…?」

「…やだって言っても、するんだろ」


顔を赤くさせて睨まれた。

そんな表情一つ一つが愛しくて、
そっと頬を撫でた。


「ここで、しよっか」

「んんっ…」


紅く染まった耳朶にキスをしてから、
翔さんの服の中に手を滑り込ませた。

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