
DAYS
第34章 Lives M×O
M side
風呂から上がってご飯を食べてる時も、
一緒に歯磨きをする時にも、
絶対に目が合わない。
いつもするバカみたいな会話も、
甘い雰囲気はどこにもない。
返事はしてくれる。
だけど素っ気ない。
目は合わない。抑揚もない。
「智?」
「何?準備出来た?早く行くよ。」
「あ…うん。」
あまり饒舌じゃないのに、今日は…というより
さっきからかなり早口で話してる。
怒ってる、のか?
俺が、味噌汁作っててとか言いつつ
もう具材を決めてたから?
…さすがに違うか。
考えてはみるけど、やっぱり分からない。
ぼーっとしてれば、
「早くして」と急かされるから
次第に考えるのも忘れてしまっていく。
「今日はマネージャーの迎え、
頼んどいたから。」
「え?昨日、俺が車出すって…」
「マネージャーはあと15分で来るって。」
困惑とか、そんなのを通り越して
呆気に取られてる俺。
少しだけイライラしてくる。
「なぁ、智。怒ってる?」
「さぁ、どうだか。」
「返事になってねーよ…。」
「じゃあ、別に怒ってないよ。」
マネージャー、来たらしいからって
つかつかと玄関に歩いてく。
その背中から出る雰囲気は
やっぱりいつもと違って、怒りが見える。
怒りと、悲しみ。
とりあえず、今は聞いたって同じだからと
黙っておくことにした。
これがあまりよろしくなかったらしいけど。
