テキストサイズ

DAYS

第32章 オールリクエストshort story♡





N side



「んんー…ぅっ。」


喉が乾いて目が覚めた。

それに何だか寝苦しくて。


「あ…。」


通りで寝苦しい訳だ。

布団はまだ冬用のだし、
潤も俺にべったり抱きついてるし。


「水、取りに行こっと…。」


時間を確認してみれば、丑三つ時。
起きるにはだいぶん早いし、
まだ俺も眠たいんだもん。


体を起こせば、ずきっと腰が痛んだ。

情事の名残。幸せな余韻。
喜ばしい痛み。

体はすっかり綺麗になってて、
ちゃんとスエットを着せられてる。


「ありがと…。」


潤は優しい。

俺の体のことを気遣ってくれて、
自分の疲れなんて後回しにして。



だるい体を動かして、
キッチンで水を飲む。

冷たい水が体を潤していく。


その冷たさに、すっかり眠気が
覚めてしまった。


リビングには明かりをつけていないのに、
妙に明るい部屋。

月あかりが部屋いっぱいに差し込む。


そーっとドアを開けて、
ベランダに出て空を見上げる。


「わ…。」


この街は眠らない。

だけど、この時間になれば
普段よりは星が見える。

今日は満月。


「こんなの、潤と見たら
何倍も綺麗だろうなぁ…。」
「じゃあ見よっか。」
「うん。

って、え?」


ぱっと振り返れば、ちょっと
不機嫌な潤。


「和がいないから、目が覚めた。」


1人のベッドは寂しいよ。

潤が俺を、後ろからそっと抱きしめる。



『もう離さないでね?』
『当たり前だろ。』
『俺も離さないからね?』
『上等だよ。』


ちょっぴり変態でも。
潤はずっと俺のもの。

潤が望むなら、何だってするんだから。


和も、和子も大事にしてよね。


-end-

ストーリーメニュー

TOPTOPへ